『福崎町立神崎郡歴史民俗資料館』
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□ 平成17年度 神崎郡歴史民俗資料館講座録集
講座録集

平成17年度「播磨の歴史・民俗行事を考える」講座録集

<第1回 講座録>
日 時:平成17年5月21日(土) 13時30分〜15時
演 題:西播磨の獅子舞研究
     〜2つの村の獅子舞伝承に見る差異・変容の一考察〜
講師:大渡 敏仁氏(芸術文化学博士)

5月21日、歴史民俗資料館にて第1回目の連続講座が開催されました。
講師には、昨年度「播磨の民俗と行事を考える」シリーズのご講演をいただいた、
大渡先生をお招きしました。
本年度の連続講座では、大渡先生に3回シリーズでご講演いただきます。
このシリーズでは、演題のお話とは別に、現在播磨で行われている民俗行事を
一つご紹介していただきます。
第1回目は、御津町室津・賀茂神社に伝わる「棹の歌」をご紹介いただきました。

そして、演題である「西播磨の獅子舞研究」では、神崎郡神崎町中村、根宇野(みよの)地区に伝わる
2つの獅子舞についての研究比較についてお話いただきました。
西播磨地方は‘獅子どころ’と呼ばれており、現在での播磨地域内で獅子舞は伝承されています。
しかし、その姿は地域により違い、この2つの地区でも、位置的には非常に近い関係ですが、様々な違いが見られます。
今回は、この2つの地区で共通演目となっている『牡丹』を比較の対象とし、それぞれの特徴についてお話いただき、
演目の時間や舞の組立て、登場する人物・動物などの種類・数に異なる点が見られることが分かりました。
そしてこれらは、時代とともに変化・変容がなされ、地域により異なった様相を持ちますが、しかしそれと同時に、ほとんど変化しない伝承の原型も存在し、次の世代へと伝承されていくようです。

<第2回 講座録>
日 時:平成17年8月2日(火) 13時30分〜15時
演 題:戦後60年記念講演
        「戦時体験について」
講 師:真田 晃氏、山本敏一氏

8月2日、第2回目の連続講座は、三木家住宅で行われました。
今年、戦後60年を迎えるにあたり、今回の講座では町内に在住されるお二人の方に、
それぞれの戦時体験である、「日本の戦況」や「大東亜戦争の参戦歴」についてのお話をいただきました。
この講座には、たくさんの子どもたちとも一緒に聞くことができ、幅広い年齢層の方々と
「戦争」そして「平和」について考えることができました。
「日本の戦況」では、近隣の空襲時の様子や召集令状の話、「大東亜戦争の参戦歴」では、
召集から外地での軍事、そして復員までの当時の様子や心境などをお話いただきました。
子どもたちには、はじめて聞くような話もありましたが、実体験に基づく話から、
「戦争のこわさ」そして「平和への願い」を子どもたちなりに感じてもらえたと思います。
戦争を知らない世代が多くなっていくなか、今日のように「話を受け継ぐ」ことは、
平和でありつづけるとともに、戦争を忘れてはいけないためにも望まれることなのではないでしょうか。

<第3回 講座録>
日 時:平成17年10月29日(土) 13時30分〜15時
演 題:<ざんざか踊><ざんざこ踊><チャンチャコ踊>考
     〜近畿地方に伝わる風流(ふりゅう)太鼓踊りの系譜〜
講 師:大渡 敏仁氏(芸術文化学博士)

10月29日、歴史民俗資料館にて第3回目の連続講座が開催されました。
講師には、昨年度もお世話になった大渡先生にお越しいただきました。
大渡先生の講座では、本題に先立ち、播磨の行事紹介をしていただいています。
今回は、家島本島で7月に行われている「家島天神祭り」をご紹介いただきました。
豪華な壇尻船が瀬戸内を勇壮に渡っていく姿を映像でみることができました。

そのあと、今回のテーマである<ざんざか踊><ざんざこ踊><チャンチャコ踊>についてご講演いただきました。
県内では、但馬地方や宍粟市の一宮町、波賀町などで現在も行われている行事で、
源流は、中世の仏教における<念仏踊り>である芸能と伝えられています。
しかし、町内では行われていないので、実際に見ることは少ないですが、
今回の講座では、たくさんの事例紹介を映像とともにお話いただいたので、
とても分かりやすく知ることができました。
今回の講座をきっかけに、また一つ民俗芸能についての知識を増やすことができたのではないでしょうか。

<第4回 講座録>
日 時:平成17年11月12日(土) 13時30分〜15時
演 題:「西播磨の仏像について」
講 師:神戸 佳文氏(兵庫県立歴史博物館 学芸課長)

11月12日、歴史民俗資料館にて第4回目の連続講座が開催されました。
今回は、県立歴史博物館より講師をお招きし、姫路を中心とした西播磨の仏像について
お話いただきました。
各地域の信仰のかたちや、仏教美術としての視点から見る仏像の姿を、
スライド写真を交えながら、詳しく教えていただきました。
また、町内の仏像についてもご紹介いただきました。
今回の講座では、仏像を見る視点を絞ってのお話をいただくことができ、
大変貴重な時間であったのではないでしょうか。
今回講師としてお招きした、県立歴史博物館では、12月4日(日)まで、
「聖徳太子と国宝法隆寺」展が開催されています。
この特別展では、数々の貴重な彫刻・絵画などの優れた文化財が出品されています。
この機会に、1400年の歴史を体感してみてはいかがでしょうか。
*特別展「聖徳太子と国宝法隆寺」展は終了しています。

<第5回 講座録>
日 時:平成18年2月25日(土) 13時30分〜15時
演 題:「福崎町に伝わる2つの浄舞はどこから来たか」
講 師:大渡 敏仁氏(芸術文化学博士)

本年度最後の連続講座が2月25日、歴史民俗資料館にて開催されました。
今回は、秋祭りに奉納される浄舞についてのお話をいただきました。
町内では、熊野神社と余田大歳神社で毎年行われています。
町内の民俗行事のお話ということもあり、多くのみなさまにご参加いただきました。
講座では、他に加西市の住吉神社・姫路市船津町の正八幡神社の事例報告もあり、
各神社に奉納される浄舞にみられる共通点や差異などについて詳しくお話いただきました。
そこから類似性をさぐり、浄舞の伝播についての流れをみていくことができました。
秋祭りは、同日に行われることが多いですが、本日の講座では4ヶ所の浄舞の映像をみることが
でき、大変貴重な機会になったのではないでしょうか。


◆問合せ先◆
 神崎郡歴史民俗資料館
 пF0790-22-5699

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